情熱的なソウルミュージックから型破りのロックンロールまで、メンフィスの街は、今もジュークジョイント、ナイトクラブ、バーやストリートで生き続けるユニークなサウンドにインスピレーションを与えています。メンフィス音楽の偉人たちが世界に与えた影響をより深く理解するなら、街で彼らのルーツを探索してみましょう。
アル・グリーン
アル・グリーンは、ウィリー・ミッチェルとハイ・レコードのレコーディングのために、1960年代後半メンフィスに移り住みました。「ラブ・アンド・ハピネス」「コール・ミー」、「レッツ・ステイ・トゥギャザー」など、グリーンのヒット曲は、今日のソウル・ミュージックにおいてアイコン的存在として残っています。かつてない、最も影響力のあるソウル・アーティストと名声を築いたのち、グリーンはゴスペル協会を設立し、今もなお司教として協会に仕えています。この協会で彼の説教を聞いてみてください。メンフィス・ロックンソウル博物館には、彼の聖書、ゴスペル・ローブ、ステージ・ジャケットが展示されています。アトラクション:メンフィス音楽大殿堂博物館、メンフィス・ロックンソウル博物館、ビールストリート(名声の歩道)、アメリカソウルミュージック博物館、バックビート・ツアー、ゴスペル教会、アメリカン・ドリーム・サファリ、ロイヤル・スタジオ
アン・ぺブルズ
1970年代のヒット“I Can’t Stand the Rain”、“I’m Gonna Tear Your Playhouse Down”で知られる、影響力のあるソウル・シンガー。メンフィス音楽殿堂入りを果たしたメンバーで、ハイ・レコードが輩出した最も成功した女性ミュージシャンです。メンフィス音楽殿堂博物館のツアーでは、彼女の舞台衣装だったビーズを施したツーピースのドレスやレパード柄のドレスを探してみてください。アトラクション:ビールストリート(名声の歩道)、メンフィス音楽大殿堂博物館
、メンフィス・ロックンソウル博物館、アメリカン・ドリーム・サファリ
B.B.キング
キングは、メンフィス最大のミュージシャンにとどまらず、類のない最高のブルースを披露したミュージシャンとして、世界的にも有名です。キングがメンフィスのブルースの舞台に登場し始めた1940年代後半、彼は世界的に有名なビールストリートで、名声のあるブルース・ミュージシャン達とともに演奏していました。博物館の展示物、ナイトクラブ、彼に因んで名付けられたストリートなど、彼がメンフィスに残した足跡は、今日誰もが認める彼の業績の証の一つ一つです。アトラクション:ビールストリート(名声の歩道)、メンフィス音楽大殿堂博物館
、メンフィス・ロックンソウル博物館、ブルース財団ブルース殿堂博物館、B.B.キング ブルースクラブ、アメリカン・ドリーム・サファリ、バックビート・ツアー、オーフィウム劇場(ゴールド・スター)、B.B.キング・ブルーバード
ビッグ・スター
ビッグ・スターは、1970年代におけるメンフィス最大のガレージ・ロック・バンドでした。後世における、もっとも影響力のあるバンドといわれています。グループはのちに、メンフィス音楽殿堂入りを果たし、メンフィス音楽大殿堂博物館では、ドラマー、ジョディ・ステファンのブーツ、バンドのクリスマスポスターやネオンサインなどが展示されています。現在、ステファンはバンドのオリジナルメンバーの中での唯一の生存者です。現在はアーデント・スタジオのスタジオマネージャーとして、また同スタジオで“Those Pretty Wrongs”のバンドメンバーとしても演奏しています。アトラクション:スタックス・アメリカン ソウル ミュージック博物館(ポスターやプレス・キットなどの小物展示品)、メンフィス音楽大殿堂博物館、メンフィス・ロックンソウル博物館、ビールストリート(名声の歩道)、アーデント・スタジオ
ボビー“ブルー”ブランド
BBキング同様、ボビー“ブルー”ブランドはメンフィスの最も偉大なブルース・ミュージシャンの一人と言えるでしょう。ロックンロール殿堂入り、そしてブルース財団ブルース殿堂入りを果たしたブルース界のレジェンドは、彼の個性とその表現力豊かな音楽で知られています。ステージ用のストゥールや衣装、キャプテンハット、スーツやブーツなどをメンフィス大音楽殿堂博物館で探してみましょう。アトラクション:スタックス・アメリカン ソウル ミュージック博物館、メンフィス音楽大殿堂博物館、ブルース財団ブルース殿堂博物館、ビールストリート(名声の歩道)、バックビート・ツアー、アメリカン・ドリーム ・サファリ、ボビー”ブルー“ブランド・スタチュー(サウス・メイン・ストリートとDr. Martin Luther King Ave.の角)
ブッカー T. アンド・ザ・MGS
オーティス・レディングからアルバート・キングまで、ブッカー T. アンド・ザ・MGSは、スタックス・レコードのスタジオバンドとして メンフィスから誕生したいくつかの最大ヒットのレコーディングに参加しました。バンドを含む個々のメンバーも1960年、1970年代の音楽にもっとも影響を与えたと世界的に認識されており、このバンドは、ブルース財団ブルース殿堂入り、ロックンロール殿堂り、メンフィス音楽大殿堂博物館殿堂入りを果たしています。ブッカー T. ジョーンズは今日もツアー活動を続けており、メンフィスでもショーを開催しています。アトラクション:ブルース財団ブルース殿堂博物館、スタックス・アメリカン ソウル ミュージック博物館、バックビート・ツアー、メンフィス・ロックンソウル博物館、メンフィス音楽大殿堂博物館、ビールストリート(名声の歩道)
カール・パーキンス
音楽史において、シンガーソングライターとしてトップの人気を誇るカール・パーキンスは、何世代にもわたるミュージシャンに大きな影響を与えました。エルビス・プレスリ-、ジョニー・キャッシュ、ビートルズなど、世界的に有名なアーテストもパーキンスのカバー曲をレコーディングしています。「ロカビリーのキング」と呼ばれたパーキンスは、サン・レコードでのレコーディングをしましたが、これは後世の音楽史を永遠に変化させることになりした。アトラクション:メンフィス音楽大殿堂博物館、メンフィス・ロックンソウル博物館、ビールストリート(名声の歩道)
カーラ・トーマス
ラファス・トーマスの娘であるカーラ・トーマスは、スタックス・レコードの最も人気のある女性アーティストです。大ヒットの中には“Gee Whiz (Look at His Eyes)” や “B-A-B-Y”などがあり、“B-A-B-Y” は、2017年に公開された映画 Baby Driverのテーマ曲にもなっています。地元の博物館では、トーマスにまつわる展示品の数々を見ることができます。スタックス・アメリカン ソウル ミュージック博物館にある、オーティス・レッディングとのレコーディング・セッションのアルバム“King & Queen”(のコピー)をお見逃しなく。時折、街でトーマスのパフォーマンスに出会うかもしれません。
アトラクション:スタックス・アメリカン ソウル ミュージック博物館、メンフィス音楽大殿堂博物館、メンフィス・ロックンソウル博物館、ビールストリート(名声の歩道)
デビッド ポーター
スタックス・レコードのスタジオ・コンポーザーとして、作曲のパートナーであるアイザック・ヘイズとともに世界的に有名な楽曲を作りあげ、メンフィス音楽全般において大きく貢献した音楽家です。ローリング・ストーンズは、ポーターを“史上最高のソング・ライター100人”にランクしています。また彼は2005年、ソングライター・ホール・オブ・フェームへの殿堂入りを果たしました。今日ポーターは、メンフィスのコミュニティーにおいて、音楽的才能の育成と発展を趣旨とするMMT協会の創設者兼社長として活動している。
アトラクション:スタックス・アメリカン ソウル ミュージック博物館、メンフィス音楽大殿堂博物館、ビールストリート(名声の歩道)
エスビス・プレスリー
キング・オブ・ロックンロールとして名を馳せるエルビス・プレスリーの歌、アイコニックなスタイルと伝説は、今日もなお他に類のない偉業として知られています。メンフィスはブルースの故郷とされていますが、プレスリーの出現により、メンフィスはロックンロールの誕生地とも呼ばれるようになりました。サンスタジオでエルビスが使用したマイクと記念撮影したり、プレスリー自動車博物館で“キング”の膨大な自動車コレクションを見学するなど、“キング”ファンは、プレスリーがメンフィスに残した数々の足跡を見ることができます。
アトラクション:グレースランド、サン・スタジオ、メンフィス音楽大殿堂博物館、メンフィス・ロックンソウル博物館、ビールストリート(名声の歩道)、バックビート・ツアー、エルビス・プレスリー・ブルバード、エルビス・プレスリ・スタチュー(ビールストリート)、ザ・アーケード・レストラン(プレスリーお気に入りの地元のレストラン。エルビス・ブースに座りましょう)
アイザック・ヘイズ
アイザック・ヘイズは作曲家、歌手、プロデュースとして、サム&デイブ、カーラ・トーマス、彼自身のソロを含め、最も影響のあるソウル・ミュージックのレコーディングに携わってきました。グラミー賞に幾度となく賞された彼は、スタックス・レコードを今日のアイコン的存在に導く工程において大きく寄与しました。それは彼が創作した音楽に永遠に刻み込まれています。スタックス・アメリカン・ソウル・ミュージック博物館では、彼の代表的コレクションである金箔張りのキャデラックを、メンフィス・ロックン・ソウル博物館では彼のミンクのコート&ケープを忘れずにご覧ください。アトラクション:スタックス・アメリカン・ソウル・ミュージック博物館、メンフィス音楽大殿堂博物館、メンフィス・ロックンソウル博物館、ビールストリート(名声の歩道)、オーフェウム・シアター(ゴールド・スター)、アイザック・ヘイズ・メモリアル・ハイウェイ(サム・クーパー・ブルバードからファエット・カウンティ・ラインまでのI-40号線)
ジェリー・リー・ルイス
ジェリー・リー・ルイスは「グレード・ボールズ・オブ・ファイヤー」や「ホール・ロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン」などのヒットとともに、ロックン・ロールの前駆者となりました。サン・スタジオから生まれた“キラー”というニックネームを持つルイスは、カール・パーキンス、ジョニー・キャッシュ、エルビス・プレスリーらとともに、サン・スタジオで行われたジャム・セッションのレコーディング、「ミリオンダラー・カルテット」の一人でした。メンフィス音楽大殿堂にその2/3展示されている1983年キャデラック・エル・バレロを見に行きましょう。あとの1/3はジェリー・リー・ルイスの“ホンキー・トンク&カフェで見ることができます。
アトラクション:サン・スタジオ、メンフィス・ロックンソウル博物館、メンフィス音楽大殿堂博物館、ジェリー・リー・ルイス ホンキー・トンク&カフェ、ビールストリート(名声の歩道)、ヘルナンド・ハイド-ア-ウェイ(リーがよく演奏していた場所)、ザ・ルイス・ランチ(ミシシッピ州ネスビット)
ジョニー・キャッシュ
ロックンロールとカントリーミュージックに、ゴスペルとブルースをミックスしたユニークなサウンドで知られるキャッシュは、史上最大のヒットを記録したアーティストの一人として有名です。ルイスやプレスリー同様、サン・レコードでサム・フィリップスのためにレコーディングした「メン・イン・ブラック」でブレイクしました。これはメンフィスの音楽界に大きな遺産を残したといえます。メンフィス音楽大殿堂博物館に寄ってみましょう。キャッシュ直筆の歌詞シートや、彼のスリーピースの黒いピンストライプ・スーツが展示されています。アトラクション:サン・スタジオ、ビールストリート(名声の歩道)、メンフィス音楽大殿堂博物館、メンフィス・ロックンソウル博物館、ジョニー・キャッシュ・スタチュー(クーパー・ヤング)
ジャスティン・ティンバーレイク
メンフィス地区で生まれ育ったジャスティン・ティンバーレイクは現在世界中で最も人気のあるアーティストの一人です。幾度にもわたるグラミー賞受賞した彼は、アルバム売上3000万枚、ビルボード・ホット100ではシングルNo.1 を5回獲得しています。テネシー州に住むティンバーレイクは、スタックス音楽協会へ大きな貢献を果たすなど、メンフィス・コミュニティーに幅広く寄与しています。メンフィス音楽大殿堂博物館には、彼のトム・フォード・タキシードや、エア・ジョーダンのスニーカーが展示されています。アトラクション:メンフィス音楽大殿堂博物館、スタックス・ミュージック・アカデミー、ビールストリート(名声の歩道)、シェルビー・フォレスト・ジェネラル・ストア(ティンバーレイクの大好物なハンバーガーが食べられます)、ザ・アーケード・レストラン(ティンバーレイクのリーバイス・キャンペーン舞台になった場所)
オーティス・レディング
ロックンロール殿堂のメンバーでもあり、ソング・ライター殿堂入りも果たしているレディングは、スタックスレコードの一大アーティストです。レディングはジャンルにとらわれず、音楽全般おいて最もアイコニックな声の持ち主として有名です。スタックス・アメリカン・ソウル・ミュージック博物館では、レディングの生涯とキャリアを 物語る幅広いコレクションを取り揃えています。彼のお気に入りだったスエードのジャケットを見つけてください。アトラクション:スタックス・アメリカン・ソウル・ミュージック博物館、メンフィス音楽大殿堂博物館、ビールストリート(名声の歩道)、バックビート・ツアー、メンフィス・ロックンソウル博物館、ザ・ロレイン・モーテル(ソング・ライター達が集う場所)
ラファス・トーマス
真のメンフィス伝説のミュージシャン、ラファス・トーマスは“メンフィス・サウンド”を形作る上で影響力のある役割を果たしました。かつてWDIAラジオステーションのディスクジョッキーだったトーマスは、スタックス・レコードでレコーディングする以前はサン・スタジオを利用していました。トーマスのヒット“Walking the Dog” 、 “Do the Funky Chicken”はスタックスの有名なカタログに最も人気のある曲として残っています。その豪華さで有名な彼のステージ衣装の何点かは、スタックス・アメリカン・ソウル・ミュージック博物館やメンフィス音楽大殿堂博物館に展示されています。アトラクション:スタックス・アメリカン・ソウル・ミュージック博物館、メンフィス音楽大殿堂博物館、W.C. ハンディ・パーク(ラファス・トーマス石碑)、ビールストリート(名声の歩道)、オーフェウム(ゴールド・スター)、サン・スタジオ、ラファス・トーマス ブルバード
スリー6マフィア
ブルースとロックンロールの誕生地として知られるメンフィスですが、このアイコニックなヒップホップ・グループは、世界の最も人気のある音楽分野において、メンフィスの世評を高めることに大きく貢献しました。今日、全国的に影響を及ぼすメンフィスのラップとヒップホップの人気は急成長し、スリー6マフィアは成功への道へリンクしているといえます。トリプル6のファンは、ベストオリジナルソング部門でアカデミー賞を受賞した“It’s Hard out Here for a Pimp”と、サイン入りの歌詞シートをメンフィス音楽大殿堂博物館で見ることができます。グループは、最近に再結成ステージでパフォ-マンスを始めており、この伝説のグループに出会うなら、今がチャンスです。アトラクション:メンフィス音楽大殿堂博物館、ビールストリート(名声の歩道)
W.C.ハンディ
アラバマのトランペット奏者、W.C. ハンディは1909年にメンフィスへの旅路で立ち寄ったビール・ストリートにあるクラブで、彼独特の個性的な曲作りを始めました。彼の“ビール・ストリート・ブルース”は急速にヒットを記録し、ボビー・ブルー・ブランドやマディー・ウォーターズ、世界的に有名なB.B.キング達に影響を与えました。“ブルースの父“として知られ、ブルースの初リリースに幅広く携わったハンディは、音楽における永遠のレガシーを世界中に色濃く残しました。アトラクション:ビールストリート(名声の歩道)、W.C. ハンディ・パーク、メンフィス・ロックンソウル博物館、ブルース・ファンデーションブルース殿堂、アメリカン・ドリーム・サファリ、メンフィス音楽大殿堂博物館、W.C.ハンディ・ホーム博物館
ウィリー・ミッチェル
メンフィス音楽史における最も影響力のあるレコードプロデューサの一人として、ミッチェルはアル・グリーン、アン・ピーブルズ・ボビー・ブルー・ブランド、アイク・アンド・ティナ・ターナーや、チャック・ベリーなどのレコーディングを、ロイヤル・スタジオで手掛けました。メンフィス音楽大殿堂博物館でミッチェルのトランペットを探してください。また、ロイヤル・スタジオへドライブし、プロデューサーとして影響力のあった彼自身の壁画を見てください。アトラクション:メンフィス音楽大殿堂博物館、メンフィス・ロックンソウル博物館、ロイヤル・スタジオ、ビールストリート(名声の歩道)、バックビート・ツアー、アメリカン・ドリーム・サファリ、スタックス・アメリカン・ソウル・ミュージック博物館、ウィリー・ミッチェル・ブルバード
生まれ来るレジェンドたち
ブルースの出現、ロックンロールの誕生、ソウルミュージックが爆発してから数十年の月日を経た今も、メンフィスで変わらぬ事実。それは、絶え間なく響き渡るビート。数えきれないミュージシャン達は、彼らに刺激を与えたアイコンたちのスピリットを継承し、新しい世代の音楽を創作しようと、今日もなおメンフィスに押し寄せます。