このページでご紹介するのは、メンフィスの歴史を詳しく知る上で見逃すことができない素晴らしい施設です。遺跡など先史時代の古跡からアメリカ近代史に所以する歴史博物館やランドマーク、1830年代のイギリス、ビクトリア朝に色濃く影響を受けた時代の観光地、ビールストリートの老舗店舗など、メンフィスの歴史をあらゆる面から掘り起こすことが出来るでしょう。
国立公民権博物館(シビルライツ博物館)
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが暗殺された歴史的なロレインモーテルとそこに隣接した博物館はアメリカ近代史の公民権運動と400年前に遡り、奴隷制の実態などがオーディオとビジュアルで見事に展示された必訪サイトです。モントゴメリーで起きたバスボイコット事件や、メンフィス・サニテーションストライキなど事件の背景など当時の公民権運動の混乱を詳しく学ぶ機会となります。
スレイブヘブン・アンダーグラウンド・レイルロード博物館 (臨時休業中)
1849年に家畜商人とベーカリーのオーナーであるヤコブ・バークルによって建てられたバークル・エステートは、黒人奴隷が自由を求めて逃げるのを助けるために家を開放していました。現在は、アメリカ南部の奴隷制度の歴史と、奴隷がメンフィスから亡命するための逃亡ルートに焦点を当てた博物館となっています。
奴隷解放されている北の地へ行くための船を待つ隠れ場所であった床下の暗くて狭い地下セラーと、地下セラーを隠すための19世紀の家具が今でも残っており、ツアーに参加して見学する事ができます。ツアーでは他に、奴隷貿易の背後にある歴史、逃亡奴隷に関して、逃亡を手引きするメッセージシステム、奴隷が逃亡するための旅程パターンなどを知ることができます。
アレックス・ヘイリー・ハウス
メンフィス中心街から55マイル(約88km)の郊外、テネシー州ヘニングには名作ルーツの著者であり、ピューリッツァー賞受賞のアフリカ系あめりかじん作家、アレックス・ヘイリーが幼少時代を過ごした家があります。
コットンロー歴史地区のコットンミュージアム
メンフィスは1819年に綿花産業を発展させるために、ミシシッピ川の第4チカソー・ブラフという崖の上に建設された産業都市です。1840年頃から南北戦争が勃発するまでの期間は綿を積んだリバーボートがメンフィスの川岸に面してずらりと並び、全米の綿花の75%以上がメンフィスから出荷されていました。ダウンタウンのフロントストリートは「コットンロー」と呼ばれ、綿花取引の中心地であり、メンフィス経済の中心でした。
コットンミュージアムは、コットンロー歴史地区にあったメンフィス コットン エクスチェンジ(綿花取引場)だったところにオープンした綿の社会、歴史、経済、文化を映像や展示物で知ることができる博物館です。綿花産業が盛んだった時代に築かれた綿花帝国が、いかにして作られ、綿花が国の歴史をどのように変えたかを知ってください。
メンフィス・ロックンソウル博物館
メンフィスの歴史は音楽に富んでいます。
マディ・ウォーターズは後にブルースハイウェイと呼ばれるミシシッピ州からメンフィスへ抜けるルート61を通ってビールストリートへたどり着きました。B.B.キング、ジョン・リー・フッカー、ベッシー・スミス、その他数多くのミュージシャンも同様でした。
メンフィス・ロックンソウル博物館は伝説のハイウェイ61沿いに建つ、スミソニアン協会が監修した音楽愛好家のための音楽博物館です。人種問題や経済的な障壁を乗り越え、世界を揺るがす音楽を創造したミュージシャン達の開拓の物語、ロックンロールを生み出したサンスタジオ、ソウルミュージックを生み出し育んだスタックスやハイレコードに関して、メンフィスの音楽を広めたローカルラジオ局に関すること等を知ることができます。
メンフィス・ロックンソウル博物館では、7つのギャラリーにある楽器、衣装を含む様々な展示物を見ながら、100曲以上の音楽を聞いてまわるオーディオツアーを体験できます。ご自分のペースで納得がいくまでじっくりと見学ください。
C Hナッシュ博物館チュカリッサ
「廃屋」を意味するチュカリッサとして知られる15世紀のネイティブアメリカン文化遺産が展示してあります。国定歴史ランドマークにもなっています。ガイドツアーもあります。(要予約)
ウッドラフ・フォンテイン・ハウス館
1870年築のフレンチ・ヴィクトリアン様式の邸宅で、「ミリオネア・ロー」と呼ばれるかつての綿花貿易で財を成した豪邸街にある歴史的建造物です。1962年からテネシー州アンティーク保全局が管理運営しています。当時のアンティークで装飾された館内を見学できます。
A. シュワブ・トレーディングCo.
ビールストリートで1876年から営業を続けているランドマーク的な老舗ストア。日用品からギフト、音楽グッズ、メンフィス歌手のアルバムまでなんでも揃うのがここ、A. シュワブ・トレーディングCo.です。「このお店に置いてないものは必要のないもの」と昔から言われています。フラっと立ち寄ってみてください。きっとあなたにも必要なものが見つかるはず。
エルムウッド墓地
1852年に設立されたエルムウッド墓地は、メンフィスで現存する最も古い墓地でアメリカ合衆国国家歴史登録財と公式樹木園に登録されています。
古い楡、ナラ、マグノリア(モクレン)の木々の下には、アメリカ革命からベトナム戦争までの退役軍人、市長や婦人、知事、将軍、上院議員、ブルースミュージシャン、公民権運動のリーダーなどが眠っています。
エルムウッド墓地では年間を通して特別なイベントやツアーがあります。ツアーやイベントについて詳しくは、公式サイトをご覧ください。
⇒ エルムウッド墓地 公式サイト
デービス・マーナー・プランテーション
デービス・マーナー・プランテーションは、メンフィスのダウンタウンから東へ車で約25分程の所に位置するシェルビー郡で今も残る一番古い家です。2,000エーカーの農園があり、歴史的なログキャビン、庭園、別棟、店子小屋を見学することができます。デービス・マーナー・プランテーションのツアーや歴史についての詳しい情報はウェブサイトでご覧いただけます。
⇒ デービス・マーナー・プランテーション
ビクトリアンビレッジ
1845年から1890年にかけて、ビールストリートの北東0.8マイル(1.3km)の場所、当時のメンフィスの郊外に、3階建てと4階建てのビクトリア様式の住宅が十数軒あり、この一帯はリバーボート長者や綿花富豪が住む高級住宅街でした。しかしメンフィス市が東に向かって拡大成長するにつれて、近所の町は大きく様変わりし、第二次世界大戦の終わりまでに、多くの裕福な家庭がビクトリアンビレッジから退去していきました。家のいくつかは立派に修復されてツアーで見学することができます。